十月号(R3)

未央の俳句

誌友の雑詠    古賀しぐれ選

 

    生きてゐてこその句仇夏帽子         貫野 浩

      

    

 

古賀しぐれの評

  

   

 先日亡くなった森本恭生さまを偲ぶ連作である。恭生さまとは六十年の俳句の付き合いとある。原稿用紙百枚あっても書き足りないほどの思い出。これが正に虚子の説く俳句の交遊であろう。若い頃から俳句を作り、切磋琢磨されてきた二人。お互いに相手に負けてなるものかと、句作りをされてきたのだ。楽しかった俳句の旅。鮎の宿での一献で俳論を闘わされたことであろう。それもこれも、生きていればこそのこと。「句仇」という言葉にその気持ちが十二分に表れている。そして「夏帽子」という季題。お互い元気だったころの姿が窺える。ふるさと紀の川を舞う夏蝶に恭生さまの姿を重ねての句に哀悼が滲む。ご冥福を祈るのみ。

 

 




    梶の葉に書きて薄るる癌一字         吉田敦子

 

 

 

 

古賀しぐれの評

    

   

 「梶の葉」の五連作。「梶の葉」は七夕の日に梶の葉に歌を書いて星に手向ける風習。作者ならではの季題の斡旋である。梶の葉を摘み取るところから、自身の今の思いを書き留めるところまでの推移が鮮やか。病を得てそれを克服しようとする強い意志を感じる。達筆の作者は「癌一字」からどんな詩を書かれたのであろう・・・。歌人、俳人ならではの暮しぶりと、病克服の意志が窺い知れる。

 

 





   浴衣着て役者は役を離れけり         須谷友美子

 

 

 

古賀しぐれの評 

 

  

 「浴衣」という兼題が出ると、どうしても類想的な句が多くなってしまう中、掲句はかなりユニーク。歌舞伎役者であろうか。絢爛たる舞台衣装を脱ぎ、浴衣に着替えた役者のほっとした瞬間を捉えた句。「役者は役を離れけり」このフレーズが素晴らしい。役になり切っていた異空間から、浴衣に着替えて現空間に戻ったという感じを見事に言い得ている。常識的な季題の捉え方を覆した面白味がある。

 




さくらんぼ(高校生以下の作品)   福本めぐみの評

 

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momiji

 

 


最高だみんなでプール楽しいな             小六 狩屋堂明

 


 

福本めぐみの評 

  

 学校のプールの授業はコロナ禍のため行っていない所が多いのです。なかなか、入ることきなかったプールにみんなで遊びに行ったのでしょう。やっぱり暑い夏、プールで過ごす時間は楽しいものです。コロナ感染に注意しながら楽しんでください。

 



 

 

 
花火まう夜の空へと飛んでゆく             小五 難波孝太朗

 

 

福本めぐみの評

   

 家でする打ち上げ花火だと想像します。打ち上げた花火が舞って夜空へ飛んでいきました。夜空に消えた後も見つめている作者の心の動きに詩が降ってきそうです。

 



 


 

 

うつせみをみつけてはしゃぐさんぽみち          年少 まきゆうひ

 

 

福本めぐみの評

 

 せみとりのたのしいさんぽみちです。せみはすこしこわいのですが、うつせみならさわることができます。あ、ここにうつせみ!ここにも!とみつけやすいうつせみにこころがはずみます。

 


 

 

 

 

さくらんぼの句

  

        さくらんぼの句   福本めぐみの評

 

 

高高と汗と涙の日章旗        高三 本城由比奈

 今年の夏はコロナ緊急事態宣言の中行われたオリンピックに私たちの興味は集中しました。最後まで勝ち負けに執着してメダルを目指す選手達の姿に感動しない人はいません。オリンピックという舞台に立つことだけでは満足しない人々です。経過も大切、結果も大切結果を出した後の態度も大切。作者は受験に向き合う高校三年生の夏を新鮮な感性で高い意識をもって日章旗と偉業を成し遂げた選手たちを見ています。汗も涙も簡単ではない努力の結果だということを知っている作者なのです。

 

炎天下揺れる熱気と闘う私         高一 狩屋佑菜

 毎日のように熱中症警戒アラートが出されて、涼しいところで過ごすことを促されますが、そうはいっても出かけなければならないことも多いのが現実です。炎天下、熱気が容赦なく襲って来ます。焼くような日差しに体が焦げてしまいそうです。一瞬でも気を緩めると暑さにまけてしまいそうです。闘う気持ちを持たなければ、この暑さに飲み込まれてしまいそうです。もちろん、熱中症対策をした上でのことですが。

 

夏休みカレンダーには隙間なし          高一 山村真市

 いよいよ夏休みです。もう、カレンダーにはぎっしり予定が書きこまれています。一日のうちにもいくつも予定が重ねてあるのかもしれません。「隙間なし」にわくわく感と気持ちの張りが伝わってきます。

 

網持つて邯鄲どこにゐるのかな           中一 奥村瑛太

 一読して、何故「邯鄲?」と思います。この声が「邯鄲」だと教えられるまで私は邯鄲の存在さえ知りませんでした。改めて、調べてみると案外聞いた事のある鳴き声です。姿は見たことがありません。関心を持って探さないと見つけることができない虫なのでしょう、コオロギやバッタとは違うようです。作者は昆虫に関心が深いのでしょう。それでも簡単に見つけることができない邯鄲の捕虫に挑戦しています。虫、本番ですね。

 

高高と校舎の空の雲の峰              中一 難波美帆

 校舎の向うの空に雲の峰が見えます。対比するものによって随分大きさが違うように見える雲の峰ですが校舎に襲いかかるような高さの雲の峰に迫力あります。

 

お父さんあふれるビールの泡を飲む          中一 山村竜暉

 お父さんのビールの泡を受ける口元と嬉しそうな顔が目に浮かびます。ビールの泡の何処が美味しいの?なんて思わないでください。美味しいんです。大人は仕方ないですね!

 

最高だみんなでプール楽しいな             小六 狩屋堂明

 学校のプールの授業はコロナ禍のため行っていない所が多いのです。なかなか、入ることきなかったプールにみんなで遊びに行ったのでしょう。やっぱり暑い夏、プールで過ごす時間は楽しいものです。コロナ感染に注意しながら楽しんでください。

 

友達と自由研究夏休み                 小五 倉田智浩

 夏休みというと自由研究というのは、今も変わらない夏休みの宿題の定番です。研究のテーマを見つけるのに時間がかかった苦い思い出のある筆者ですが、作者はもうそのテーマを友達と共有して取り掛かっているのです。調べたり、実験したり確かめたり考えたり好奇心が止まらない夏休みですね。

 

花火まう夜の空へと飛んでゆく             小五 難波孝太朗

 家でする打ち上げ花火だと想像します。打ち上げた花火が舞って夜空へ飛んでいきました。夜空に消えた後も見つめている作者の心の動きに詩が降ってきそうです。

 

手作りのおもしろギターなつ休み             小二 墨穂乃花

 夏休みの製作にギター作りに挑戦しました。楽しい音のでるギターになったのです。おもしろギターになりました。なかなかのできばえに、だいまんぞくの作者です。

 

うつせみをみつけてはしゃぐさんぽみち          年少 まきゆうひ

 せみとりのたのしいさんぽみちです。せみはすこしこわいのですが、うつせみならさわることができます。あ、ここにうつせみ!ここにも!とみつけやすいうつせみにこころがはずみます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                   落柿舎       

                             


 

       

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