四月号(R6)

未央の俳句

誌友の雑詠    古賀しぐれ選

 

       

       別珍の足袋の店番奈良漬屋        加藤あや

    

      

    

古賀しぐれの評

  奈良公園吟行の折の句である。底冷えのする奈良公園。
足早に参道を過ぎてゆくところであるが、掲句は面白いところに目を付けられた。元祖奈良漬屋とする看板が立つ古びた店構え。
そこの店番のおばさん。たぶん年配の女性であったのだろうと想像する。
なんと「別珍の足袋」を履かれていたのだ。ここの目の付けどころが素晴しい。
虚子の説く「俳句は季題を尊重しなくてはならない」という指摘に呼応した句である。
最近では別珍の足袋などお目にかかったことがないが、これも発見句の一つ。丁寧に観察し、はっと気づくことが大切。
流石のベテラン、味わい深い一句に仕上がった。

 




      

      薬効に勝る吟行町四温           西尾澄子

 

古賀しぐれの評  

 

  掲句は寒中の大阪道修町を吟行した時の句。江戸時代より薬種問屋の街として発展してきた道修町。
今は近代的なビルが立ち並ぶ水都の中心街である。作者は長い間、病を持つ身でありながら俳句を楽しんでこられた。
「吟行に勝る薬効はない」とする作者の信念が素晴しい。俳句を極め、俳句に救われているとする作者の気持が前面に出た一句。
「町四温」が優しく病身の作者を包み込んでいる。

 





      磨き上ぐる板間の淑気神楽殿         池田幸惠

 

 

古賀しぐれの評 

 

  正月五日に吟行した春日大社の末社若宮の神楽殿を詠った句。
春日の原始林の中をめぐる十五社巡りという福参りを終え、若宮に辿り着いた作者。
勿論春日の杜も淑気は満ち満ちているが、それよりも人の手で磨き上げた神楽殿の板間の輝きに淑気を感じられたのだ。
春日の杉林が映り込むほどに磨き上げられた神楽殿。感性を感じさせる一句。




さくらんぼ(高校生以下の作品)   多田羅紀子の評

 

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  初げいこゴールねらってけりこんだ       中二 難波孝太朗

 


多田羅紀子の評 

   

  「ねらってけりこんだ」だけで、勢いよく飛んでくるボールの迫力が伝わってきます。
サッカーの初げいこですね。初げいこらしく、気合いが入ってますね。きっとうまくゴールにシュートできた事でしょう。



 

 

 
  初売りのカニ一杯で乾杯を           中二 倉田智浩

 

 

多田羅紀子の評

     

  初売りのカニはとてもおいしかった事でしょう。そしてこの句の面白いところは「カニ」「乾杯」の共通の「か」。
「一杯」「乾杯」の共通の「杯」。リズムも調べもよくて、何度も読んでみたくなる句です。
それにしてもカニの数え方をよくご存じでした。


 

 


 

   初もうで行くとおみくじしたくなる      小三 長代美咲

 

 

多田羅紀子の評

 

  おみくじはワクワします。まして、さくしゃはミュンヘンすんでいるのです。
外国ではめずらしいおみくじです。日本のお正月を楽しんでいることがよくわかります。
おみくじのけっかは、どうだったのでしょうか。

 

 

 

 

さくらんぼの句

        さくらんぼの句   多田羅紀子評

 

 

送られて急いで返信年賀状           高一 山村竜暉

思わぬ人から年賀状が送られてきたのです。
あわてて年賀状を書き投函された作者の様子が、目に浮かびます。「急いで」がいいですね。
メールと違い、郵便は届くまでに何日もかかりますから。

 

バス走る雪をいっぱいのせてくる         高一 難波美帆

どこを走って来たバスでしょうか。屋根に雪をいっぱい乗せているのです。
山一つ、トンネル一つ抜けるだけで景色が一変する事があります。想像をかきたてられます。
「走る」「のせてくる」から目の前を走るバスの動きまで見えるようです。

 

元日の能登半島の大地震              高一 奥村瑛太

まさかこれほどの地震が能登半島を襲うとは。日本中の誰もが心を痛める元日でした。
地震の句を詠む事で、被災地へ思いを馳せている作者です。
被災者に一日も早い日常が戻りますように、と祈る気持ちで。

 

初げいこゴールねらってけりこんだ       中二 難波孝太朗

「ねらってけりこんだ」だけで、勢いよく飛んでくるボールの迫力が伝わってきます。
サッカーの初げいこですね。初げいこらしく、気合いが入ってますね。
きっとうまくゴールにシュートできた事でしょう。

 

初売りのカニ一杯で乾杯を           中二 倉田智浩

初売りのカニはとてもおいしかった事でしょう。
そしてこの句の面白いところは「カニ」「乾杯」の共通の「か」。
「一杯」「乾杯」の共通の「杯」。
リズムも調べもよくて、何度も読んでみたくなる句です。
それにしてもカニの数え方をよくご存じでした。

 

初もうで行くとおみくじしたくなる      小三 長代美咲

おみくじはワクワします。まして、さくしゃはミュンヘンすんでいるのです。
外国ではめずらしいおみくじです。日本のお正月を楽しんでいることがよくわかります。
おみくじのけっかは、どうだったのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

          山葵田

 

                             


 

       

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