一と山の筍掘れと言はれても 同
古賀しぐれの評
これらの雑詠の投句が届いたのは恭生さんが亡くなったと報せを受けたその日の夕方の郵便であった。差出日は六月四日。亡くなったのは六月六日とお聞きした。全く乱れのない、いつもの恭生さんの文字であった。最期まで俳句を考えておられたのであろう。俳句という美を探求され、虚子の説く「菩提心」を得ておられたと思いたい。死を覚悟されての退院と伺っている。俳句が最期まで恭生さんに寄添い、救いであったと確信している。長らく介護された奥様の御許へと旅立たれた。ご冥福をお祈りいたします。
古賀しぐれの評
連句に湾処の句があるので、この川は淀川であろう。淀川は大阪湾へと流れ込む。蘆原が生い茂る湾処は生き物の宝庫。河原へと下る道は草が生い茂り、花茨が群れ咲いているのであろう「潮曇」は潮気のために海上が曇ること。淀川の下流水域で海まであと少しという位置情報まで、この「潮曇」という言葉で想像できるところが巧みである。
古賀しぐれの評
一年以上に及ぶコロナ禍の自粛生活。俳句会も殆ど開けなくなって久しい。ここは青春切符を求めて一人旅にでも出かけようかと思い立った作者。「新樹晴」の季題がその気分を代弁してくれている。あてどなき旅こそ句作の絶好のチャンス。降りたい駅で降りてその町を一巡り。良き俳句の旅となったことであろう。
さくらんぼからのお知らせ
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福本めぐみの評
この辺りはまむしがでると言います。それだけでも恐ろしいのにそのまむしは酒にするというのです。蛇の方が人間て恐ろしいと思っているかもしれません。まむしには滋養があり、まむしドリンクなるものはとても効果がありそうです。人は古来、知恵を絞ってしたたかに生きて来たのです。まむしが一匹瓶に入れられて酒につけこまれている姿には迫力があります。想像しただけでぞわっとします。聞いた話も俳句に読み込むと面白いものです。
福本めぐみの評
高校生にとって朝の八時はどんな時間なのでしょう。登校の途中でしょうか。学校がその視野に入ってくる辺りまで来ている感じでしょうか。街路樹や、学校の木々を吹き渡る風に新緑の匂いを感じています。その風を胸に吸い込んで「清々しい新緑のいい匂い」と晴れ晴れと胸を膨らませているのでしょう。新しく始まった高校生活を生き生きとすごしている姿を思い浮かべます。
福本めぐみの評
夏らしい日差しが続くと水が恋しくなります。それは、誰も同じなのでしょう。作者に身近な芦屋川にもいつもより沢山の人出が見られます。その人出に夏がきたなと実感しているのです。
さくらんぼの句
さくらんぼの句 福本めぐみの評
捕まったまむしは酒になると言う 高三 本城由比奈 この辺りはまむしがでると言います。それだけでも恐ろしいのにそのまむしは酒にするというのです。蛇の方が人間て恐ろしいと思っているかもしれません。まむしには滋養があり、まむしドリンクなるものはとても効果がありそうです。人は古来、知恵を絞ってしたたかに生きて来たのです。まむしが一匹瓶に入れられて酒につけこまれている姿には迫力があります。想像しただけでぞわっとします。聞いた話も俳句に読み込むと面白いものです。
若葉雨雨やどりする人の声 高一 山村真市 若葉の頃に降る雨はしとしととやさしく春から夏へ季節を移す雨だと感じます。雨やどりする人の声が静かな雨音の中、聞こえてきます。声もまた雨に濡れています。
朝八時道で感じる新緑の風 高一 狩屋佑菜 高校生にとって朝の八時はどんな時間なのでしょう。登校の途中でしょうか。学校がその視野に入ってくる辺りまで来ている感じでしょうか。街路樹や、学校の木々を吹き渡る風に新緑の匂いを感じています。その風を胸に吸い込んで「清々しい新緑のいい匂い」と晴れ晴れと胸を膨らませているのでしょう。新しく始まった高校生活を生き生きとすごしている姿を思い浮かべます。
夏になり来る人増えた芦屋川 中一 山村竜暉 夏らしい日差しが続くと水が恋しくなります。それは、誰も同じなのでしょう。作者に身近な芦屋川にもいつもより沢山の人出が見られます。その人出に夏がきたなと実感しているのです。
空向いて赤と白とのアマリリス 中一 難波美帆 茎太くその先に大きく沢山の花を咲かせるアマリリスです。赤と白と並んで咲いている姿は明るく存在感があります。
草刈で父母に見る老いの背 中一 奥村瑛太 両親が力を合わせて草刈をしています。暑さの中、一心に草を刈る後ろ姿にその大変さを感じています。いつもより背中が丸く見える父母に感謝の気持ちと共に無理をしないでと案じています。そう、感じる作者の心の変化に注目します。
たべたいな自分でやいた初かつお 小六 狩屋堂明 かつおのたたきが好きなのですね。この時期のかつおが初かつおと言われて、最もおいしいと聞いて、ならば、自分で焼いてたたきにして食べたいというのです。作者が料理に目覚めおいしいかつおのたたきを作る日が来るのかもしれません。
雨の日の帰りの道にかたつむり 小六 三原咲月 雨降りはうっとうしいなあと思っていた学校の帰り道、けれど道を渡っているかたつむりを見つけました。作者は嬉しい気持ち、感動したのです。小さな発見ですが、心の中がほっこりあたたかくなったのに違いありません。そんな「事の発見」が俳句なのです。
こいのぼり風の来るのを待っている 小五 難波孝太朗 だらりと下がっているこいのぼりは退屈そうです。さっそうと風にのって、泳ぎたいだろうなあとこいのぼりの気持ちになりました。こいのぼりは風を待っていると言い切ったところが気持ちいいですね。
青梅が祖父母の家に実ってる 小五 倉田智浩 祖父母の家の梅の花に春を感じたのもつい最近の事です。その梅は今は実となっています。つい見過ごしてしまいそうな青梅ですが気づくと豊かな緑の葉の陰にまるまるとみなぎっている実です。みずみずしい初夏の青さです。祖父母のといったところに梅の木の身近さがあり、梅の実につながる梅仕事の楽しさが想像できます。
あじさいが風にさらさらゆれている 小二 墨 穂乃花 さきはじめたあじさいに風がふいています。さらさらとふく風は、雨をはこんでくるのでしょうか。おとをたててこれからうつくしい色にへんしんしていくのでしょう。
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水引の花
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