月別アーカイブ: 6月 2016

振出しに戻れぬ常世明易し 逆夢であればあればと明易し 平成２７年１０月未央古賀しぐれ選 しきり鳴く慈悲心鳥に心寄せ 平成２７年１１月玉藻星野　椿選 蜘蛛の囲に顔を捕られてしまひたる 平成２７年１１月円虹山田佳乃選  

夜半鳴けば父母とも思ふ木葉木菟 平成２７年１１月玉藻星野高士選 翁碑につれなき日差し青しぐれ 平成２３年１１月ホトトギス稲畑廣太郎選 夏ぐみを銜み昭和へ戻りたる 被災地へはるかな思ひ寄せて梅雨 平成２３年１１月ホトトギス稲畑汀子選

抱く子の日に日に重しアマリリス 平成１６年１０月ホトトギス稲畑汀子選 直線の夏野貫く鉄路かな 平成１４年１０月玉藻星野高士選 白山を辷り雲蹴りあめんぼう 平成２３年６月ホトトギス社句会と講演の会奥山　博選

砂に書く好きの二文字浜昼顔 平成２７年０７月冬野インターネツト句会ひろし選 付き纏ふ蚊柱といふスト－カー 平成２７年０８月津野ネット句会 木苺の一粒づつに戦後あり 平成２７年０９月冬野阿比留初見選 梔子の花に妖しき闇生まる 平成２７年１０月円虹山田佳乃選

俤を追へば追ふほど明易し 平成２７年１０月未央古賀しぐれ選 石清水昼も小暗き行者洞 淋しめば鳴く夜すがらを青葉木莵 平成２４年１２月ホトトギス稲畑汀子選 雨樋に先づは梅雨入の重さあり 平成２７年０８月俳句ステーション星野高士選

大景に一筋光り滝落つる 滴りの洞窟神の斎くごと 大空を源流として滝落つる 億年の音を谺し滴れる 平成１１年１０月あらうみ明石春潮子選

短夜の一気にアガサクリスティー 平成２４年１２月俳句界岸本マチ子選 駅ごとに小さき花野ある信濃 平成２４年１２月俳句界古賀しぐれ選他 降りたちて竜飛海底駅涼し 平成２４年１２月俳句界名和未知男選 夏帽子振れば駆け来る夏帽子 平成２４年１２月俳句界逸池田澄子選他 林立のビルも暑さに負けてをり 平成２４年１２月俳句界山本洋子選

傍線を引きたる辞書に紙魚の跡 開きたるあとの寂しさ水中花 灯涼し謡ひをるのは鏡花かも 妖しさを色香に月下美人咲く 名勝の景に加はる蝉時雨 平成２７年０９月九年母招待席近詠五句