四月号(H28)

未央の俳句

誌友の雑詠    古賀しぐれ選

 

     待春の神戸近づく祈りの日   山村千惠子


古賀しぐれの評

    阪神淡路大震災。あれから二十一年目の一月十七日を迎える神戸。あの震災を経験した人は昨日の事のように思い出されているのであろうし、犠牲になった方々を偲ぶ日でもあるのだ。《待春》という希望の含まれた季題を使うことにより、神戸の復興を喜び、重ねて冥福を祈るこころが思われる。神戸在住の作者にしか詠えない祈りの一句。こころの内をさらけ出さない、淡々とした詠いぶりが余計に読む者にとってはじんと響いてくる。人生山あり谷あり。その人生を俳句に綴ってゆくことが、その人の生き方を豊かなものにしてくれるのだろう。







    慶事にも偲ぶ人あり梅真白   小井川和子

 

古賀しぐれの評

    四百号記念俳句大会の特選一席の句。三百号祝賀の時の未央のメンバーと今回の四百号のメンバーとは八年余りの年を経てがらりと変わっているのには驚いた。前主宰の子鹿先生を初めとして、塙告冬さん、中村芳子さん、梅田実三郎さん、脇收子さんと次々にお亡くなりになってしまった。勿論未央創刊者の石子主宰のことも含んでの事と思われるが、伝統を重ねるということは、それだけ支えてこられた先輩諸氏のみなさまの力があったればこそ。その方達を偲ぶことで未央四百号の祝賀としたいと言う作者の気持ちが伝わってくる。《梅真白》の季題がそのこころを静かに伝えている。キャリアのある作者ならではの一句である。








    石一つ一つの歴史城冴ゆる   松田吉上

 

古賀しぐれの評

   この句も記念大会の特選句。寒の最中の晴れ渡ってはいたが極寒の大阪城。その城垣には謂れがあり、刻印が刻まれている。残念石という運ばれては来たが城垣にはならなかった巨石も転がっている。石の一つ一つに歴史があるのだ。そして下五の《城冴ゆる》の季題から、石は何も語らないが、この大阪城の興亡の歴史を伝えているということが感じられる。唯景色を詠うだけでなく、城そのものの歴史にまで考えが及んだところが秀逸である。





さくらんぼ(高校生以下の作品)   福本めぐみの評

 

  さくらんぼからのお知らせ 
 高校生の方もどしどし投稿下さい
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除夜の鐘比良の里へと風に乗り  中三  笠間優里



 

福本めぐみの評

   静かに響き渡る除夜の鐘の音にいつまでもいつまでも耳を澄ましている作者の心の静かさを感じます。比良の山すその里の静かさも思われます。









 

 
はじめてのスキーころんだざんねんだ  小一  西川嘉人

福本めぐみの評

    
 はじめてのスキー。いっぱいころんだらころんだぶんだけじょうずになるのでしょう。かえるころには、すいすいすべれるようになっていたのではないでしょうか。ざんねんだとくやしがるきもちがいいです。



 




おしょうがつおぞうにみんなでたべようね  年長  山中沓子

 

福本めぐみの評

   みんなですごすおしょうがつがいいのです。かぞくがそろって、みんなでおぞうにをたべようねと、こころまちにするきもちが、やさしくて、いとおしいです。


 

 

さくらんぼの句

  

        さくらんぼの句   福本めぐみの評

 

 

除夜の鐘比良の里へと風に乗り  中三  笠間優里

 静かに響き渡る除夜の鐘の音にいつまでもいつまでも耳を澄ましている作者の心の静かさを感じます。比良の山すその里の静かさも思われます。

 


風邪引いて休んだあとのてれくささ  中一  岸 空大

小学校六年生ともなると、あまり病気もしなくなり、ほとんど学校を欠席することはありません。それが、風邪にかかってしまって欠席しなければなりませんでした。早く友達に会いたいと思いながらもなんだか気恥ずかしさを感じてしまう作者です。勇気を出して教室に入りました。

 


放課後の白くこおった芦屋川  小五  山村真市

通学路に通る芦屋川。放課後の帰り道に通った時もまだこおっています。午後からも寒くてまだ、川がこおっている。ものすごく寒い一日だったのです。こおった川の白さが印象的です。

 


神様にあいさつをする初詣  小五  狩屋佑菜

「初詣」を「神様にあいさつをする」ためにいくのだとその意味を感じた作者。お祈りする心もちが違ってきたのではないでしょうか。今年は神様とどんなお話(あいさつ)をしたのでしょう。

 


かがみもちきれいにかざっていい年に  小四  山村侑己

かがみもちを心をこめてかざって神様をお迎えする用意をします。すがすがしくてとてもいい気持ちになります。

 


おぞうにのおもちはとてものびるんだ  小三  山村隼士

やわらかく、にえたおもちは、のびもよくてとってもおいしいです。きっと、たくさん食べたのでしょう。

 


雪あそび手ぶくろつけてもつめたいよ    小三  倉田 晄

めったにふらない雪です。雪あそびをすることも少なくなりました。手ぶくろをしていてもじんじん冷えてくるつめたさにおどろいています。でも、雪あそびはおもしろいでしょう?

 


さむいよるびわこにひびくふくはうち  小三  古賀こはる

まだまださむいせつぶんのよる。まどの向こうのびわこへむけて大きなこえで豆をまきました。ひろくてくらいびわこに、そのこえがひびきました。「ふくはーうち!」くらくておおきなびわこはなにもこたえてくれませんが、なにかこたえてくれそうなきもします。

 


十日えびすおまいりすんでじゃがバター  小二  山村竜暉

たくさんの、やたいをとおりすぎて、まず、おまいり。そして、なにか、ひとつ、かってもらえることになったのでしょう。「ぼく、じゃがバター」とまよわずきめました。ほくほくとおいしそうですね。このごろは、いろいろなおみせがあってたのしいですね。

 


一りん車すいすいこがらしなんかへいき  小二  難波美帆

こどもはかぜの子ですからね。さむさなんかへっちゃらです。れんしゅうしてすいすいのれるようになった一りん車に、もう、むちゅうですね。

 


はじめてのスキーころんだざんねんだ  小一  西川嘉人

はじめてのスキー。いっぱいころんだらころんだぶんだけじょうずになるのでしょう。かえるころには、すいすいすべれるようになっていたのではないでしょうか。ざんねんだとくやしがるきもちがいいです。

 


おにがくるはやくまめまきとをしめる  小一  古賀こむぎ

そうです!まめまきはすばやくしなければいけません。ゆっくりしていては、せっかくでていったおにがもどってきてしまいます。そして、きっちり、とをしめることもわすれてはいけません。おねえちゃんたちとちからをあわせてまめまきができたかな?

 


ゆきのやまのぼってみたらずりおちた  年長  難波孝太朗

ふりつもったゆきでちいさなやまができていたのでしょう。おもしろそうだからのぼってみました。そしたら、すぐにすべってずりおちてしまいました。おもしろーい。そのあと、なんどでものぼって、すべって・・・。たのしいゆきあそびになったのでしょうね。

 


おしょうがつおぞうにみんなでたべようね  年長  山中沓子

みんなですごすおしょうがつがいいのです。かぞくがそろって、みんなでおぞうにをたべようねと、こころまちにするきもちが、やさしくて、いとおしいです。

 


あかいめのゆきでうさぎをつくったよ  年中  岸しゅうた

ゆきうさぎをつくりました。あかいめにしました。ちょうどいいあかいみがあったのかな。めをつけてはっぱのみみをつけただけでとてもかわいいうさぎのできあがりです。

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

       

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