九月号(H29)

未央の俳句

誌友の雑詠    古賀しぐれ選

 

      土間涼しへつつひの神井戸の神     松田吉上

    

古賀しぐれの評

  

  吟行で以前にも行った吹田の浜屋敷。江戸時代の庄屋の屋敷が復元されて会所のようになっている。広々とした土間。そこには大きな竈がいくつも並び、塵一つなきまでに綺麗に掃き浄められていた。誰しもそのへっついを見て、往時の暮しぶりを想像したはずである。さて、このへっついを切り取って如何に俳句とするか。この作者は先ず、「土間涼し」と切り取った。そして「へつつひの神井戸の神」というリフレイン。「神」を持って来たことによって、土間の磨き込まれた往時の庄屋の暮らしがぐぐっと迫ってくる。自身の感動をいかに十七文字にのせてみなに伝えるか。そこのところを充分に心得た詠いぶりとなった。考え抜いているが自然体に思えるところが佳句なのである







    鰻屋の暗き土間より湖の碧       森本恭生

 

 

古賀しぐれの評

  

   湖北の鰻屋の五連作。旧街道に沿う湖北の鰻屋。懐かしい佇まいをそのままに残す宿屋でもある。街道から湖岸まで鰻の寝床のような土間が続く。香ばしい匂いを漂わせて、鰻が焼かれ、湖魚の佃煮が焚かれている。その昏い土間の突き当りには紺碧の琵琶湖が輝いている。鰻屋の土間の暗と琵琶湖の紺碧の明が見事な対比で描かれている。絵画の遠近法とでも言う様な奥行のある一句となった

 






   よべの雨乾き切つたる麦の秋      安部州子

 

 

古賀しぐれの評

  

   掲句からは広々とした平野の麦秋と想像することも出来るが、実は万葉植物園の一坪足らずの麦の秋。神苑は新緑の美しい草木が並んでいる中で、そこだけ小麦色の一画が浮かび上がっている。よべの雨が雫として残っている順路の一画である麦秋。そこだけは雨が乾き切っている。雨後の新緑と麦秋の対比が鮮やかである。


 

 

 



さくらんぼ(高校生以下の作品)   福本めぐみの評

 

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チェックする梅雨の鞄の濡れ具合       中二 本城由比奈



福本めぐみの評

   うっとうしい梅雨です。雨に降られなくてもどこか湿り気を帯びている鞄です。今日は雨に少し降られてしまいました。びっしょりと言う程でもないのけれど、教科書はどうかしら、お気の入りの鞄はどうかしらと心配して確かめている作者です。


 






 

 
かたつむりふんぞり返って落っこちた     小六 山村真市

 

福本めぐみの評

   かたつむりがふんぞり返って葉っぱから落ちてしまうことなんてあるのでしょうか。あるかないかではなく、そう感じたと言う事が大切なのです。そう、想像するととても楽しくなります。そしてなんだかとても簡単に想像できてしまって、本当の事に思えてくるから不思議ですね。

 


 




たがめはねへびをおそうよすごいでしょ        小一 倉田智浩

 

 

福本めぐみの評

  たがめをみたことがありません。どれくらいの大きさかわからないのですが、へびをおそうのですね。すごいですね。いけのあばれんぼうですね。


 

 

 

 

さくらんぼの句

  

        さくらんぼの句   福本めぐみの評

 

 

チェックする梅雨の鞄の濡れ具合       中二 本城由比奈

 うっとうしい梅雨です。雨に降られなくてもどこか湿り気を帯びている鞄です。今日は雨に少し降られてしまいました。びっしょりと言う程でもないのけれど、教科書はどうかしら、お気の入りの鞄はどうかしらと心配して確かめている作者です。

 

 

かたつむりふんぞり返って落っこちた     小六 山村真市

 かたつむりがふんぞり返って葉っぱから落ちてしまうことなんてあるのでしょうか。あるかないかではなく、そう感じたと言う事が大切なのです。そう、想像するととても楽しくなります。そしてなんだかとても簡単に想像できてしまって、本当の事に思えてくるから不思議ですね。

 

 

なりたいな夏草くらい根気よく        小六 狩屋佑菜

 夏草くらい抜かれても抜かれても生えてくるしぶとさを持ちたいな。そんな風に強くなりたいなと思っているのですね。今はそうではないのですね。なんでもすぐにあきらめてしまうのかな。夏草によせた思いを大切にしてくださいね。そして、根気強くなってください。

 


びわの木に初めて実がなり楽しみだ         小五 山村侑己

桃、栗三年柿八年といいますが、びわは何年で実が生るのでしょう。ずっと成長を見守ってきて、何年も経ってやっと生り始めた実。食べるのがたのしみです。

 

 

おいしくてむちゅうで食べたさくらんぼ       小四 山村隼士

 そんなに食べて大丈夫でしたか?ひとつぶひとつぶを大切に食べるのがさくらんぼかなと思っていましたから、ずい分ごうかいに食べたのですね。

 

 

水そうで金魚がひらひらおよぎます          小四 倉田 晄

 「ひらひら」という言葉だけで涼しそうな金魚の姿を思い浮かべます。金魚の美しい色や、尾びれがゆっくりと水そうを行き来しているようすがわかります。

 

 

かたつむりあじさいの席すわってる         小四 三原勇真

 かたつむりが葉っぱの上にいるというのではなく、席にすわっているといったことが楽しいです。ここがかたつむりの指定席とでもいうように「絵」のようになっているあじさいとかたつむりです。

 

 

夏休みもうすぐ会えるおばあちゃん        小四 古賀こはる

 ふだんは遠くて会えないおばあちゃんです。長い夏休みだからこそたくさんお泊りしておばあちゃんに甘える事ができるのです。本当に楽しみですね。

 

 

あめんぼうけっこうにてる虫がいる        小三 山村竜暉

 あめんぼうだと思っていたら、あれはちがうよといわれたのかもしれません。水の上にいたら何でも「あめんぼう」といってしまうふしが私にはあります。そうではないものも沢山いるのですね。よく、しらべなくてはいけませんね。

 

 

もん白ちょうあっという間にたまごうむ       小三 難波美帆

 ちょうがたまごをうんでいるといしきしたことはあまりありません。はっぱからはっぱへとんで止まった時のしゅん間にたまごをうみつけているのです。そうしるとまたちがった見かたができてきます。おもしろいですね。

 

 

とけちゃったアイスクリームだいなしだ       小二 かりやとうあ

 あっというまにとけてしまったアイスクリーム。それくらい、あつい日なのでしょう。たべるよりはやくとけてしまったのです。がっかりです 。

 


しゅくだいのおんどくするよせんぷうき       小一 難波孝太朗

 こえをだして何回かきょうかしょをよむことがしゅくだいです。あついからせんぷうきにふかれながらよんでいるのです。あれ?こえがへん!なんかいもこえをだしてみます。やっぱりへん。なんだか、おんどくがたのしくなってきました。はっけんです。

 

 

たがめはねへびをおそうよすごいでしょ        小一 倉田智浩

 たがめをみたことがありません。どれくらいの大きさかわからないのですが、へびをおそうのですね。すごいですね。いけのあばれんぼうですね。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                             


 

       

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