古賀しぐれの評
五句ともお母様のお亡くなりになった時の句である。肉親、殊に母の死ほど深い哀しみはないと思われる。虚子の説くごとく、如何なる季題を選んで詠うか。この作者の場合は《蝉時雨》《炎昼》《夏の空》《夏の闇》《夏逝く》と夏真っ只中の季題が並ぶ。そこに如何にして深い哀しみを込め、詠い上げてゆくか、難しいところではあるが、流石の追悼句が並ぶ。蝉時雨がふりそそいでいた時間。お母様が息を引き取られたと同時にその蝉時雨もぴたりと止んでいた。その一瞬の静寂が母の死と重なり、何とも言えぬ深い哀しみが漂ってくる。事実のみを伝え情感を伝える一句。
古賀しぐれの評
今年の夏は殊の外の猛暑であった。この暑い中を大阪城に押し寄せる異国人。異国人にしてみれば、城のある景色と言うのが一番日本らしいのかも知れない。大阪城は大人気。異国人で満ち溢れていた。「かつと」「どつと」というオノマトペが的確。活気溢れる大阪城を活写出来た。
古賀しぐれの評
同じく弔句が並ぶ。この作者の季題は《月涼し》。充分に母を看取ったという気持ちも窺われる。通夜を見守る月の涼しさ。ひとりひとりの胸にある亡き人への追慕。哀しみを表に出さず、しみじみとした思いが偲ばれる。俳句心とは斯くあるべしという感を強く受ける一句。
さくらんぼからのお知らせ
高校生の方もどしどし投稿下さい
未央誌のさくらんぼの用紙ご使用下さい
福本めぐみの評
引退試合を終えて、テニスから少し遠ざかっているうちに、日焼けが薄らいでいる事に気づいた作者。女子なら色白がうれしいところですが、それも寂しさにつながって、もう、テニスを恋はじめています。テニスへの思い、部活への思いを新たにしている作者です。
福本めぐみの評
夏の高校野球を見たのでしょうか。すばらしい、力のこもった試合を見届けた空に広がる夕焼けは赤でもなく、オレンジでもない、赤と黒のまじった色だったのです。そこに、作者の興奮と感動を感じます。
福本めぐみの評
ことしのあつさは、ふつうではありませんでした。咲月さんの学校はまだ、クーラーがついていないのでしょう。がまんしてじゅぎょうは続けられたのでしょうか。来年までには、クーラーが全部のがっこうにつくといいですね。
さくらんぼの句
さくらんぼの句 福本めぐみの評
引退の日焼薄らぎ恋うテニス 中三 本城由比奈
梅雨明けて猛暑が続きとけそうや 中一 狩屋佑菜
朝が来て入道雲があくびする 中一 山村真市
虹かかる空から皆を守ってる 小六 山村侑己
赤と黒まじる夕焼甲子園 小五 倉田悠玄
雨止むとすぐに聞こえるせみの声 小五 山村隼士
切ないなすぐたたかれる蚊の命 小五 倉田 晄
大プールパパときょうそうクロールで 小四 難波美帆
遊ぶ時毛虫が落ちてこないかな 小四 山村竜暉
あつくなりがまんできないじゅぎょう中 小三 三原咲月
かぶと虫大きなつのでたいけつだ 小三 宮田 拳
ごうかくだアイスクリームうれしいな 小三 かりやとうあ
かぶと虫よるをさまよう王さまだ 小二 倉田智浩
くわがた虫かぶと虫より長生きだ 小二 難波孝太朗
|
Copyright(c)2018biohAllRightsReserved.