古賀しぐれの評
坂本は里坊と呼ばれる塔頭が軒を連ねる。その里坊を囲むように積み上げられた石垣。この石垣を坂本の近くの地名穴太から名づけて《穴太衆積》と呼ばれている。所謂野面積の一種。大きい石の間に小さい石を詰め込み、一見ぞんざいに積み上げられているように見えるが、これがなかなかに堅固、どんな地震にも崩れなかったと言われている。その穴太積の石垣を見ての一句。《粗にして密》とは、また裏腹な表現。ここがこの句の味噌。粗々しく見えるが実は緻密に計算されて積まれているのだ。《冷まじや》の季題がそのことを暗に伝えている。きちんと積み上げられた石垣よりも味わいがあり、戦国の地坂本ならではの雰囲気を醸し出している。じっくりと観て大胆に表現する。この作者ならではの表現で納得の一句に仕上った。
古賀しぐれの評
探秋会の初日は台風接近の為の雨の一日であったが、夜更けてより琵琶湖に月が現れた。野分名残の雲間からの月光。琵琶湖を俯瞰する窓からの景色であろう。昼間波が荒れていた琵琶湖は嘘のように凪いでいる。そこに月光が差し込み、穏やかな湖面が広がる。この景色を《月を得て》と始まり《果てしなく平》と結んでいる。なんと詩情溢れた表現であろうか。目の前に月光の湖がすーっと広がってくる。品よく詠うというのも、大切な俳句の一要素である。
古賀しぐれの評
こちらは王子動物園。動物園日和に恵まれ、あちらこちらと見て回っての一句。フラミンゴはアフリカやインドに群棲する。紅色の羽がなんとも美しく、群棲しているフラミンゴは動物園の中でもどこよりも華やか。そのフラミンゴはプリマドンナであると詠う。なんと愉しい発想であろうか。羽ばたく姿は正しく白鳥の湖を踊るプリマドンナ。小春の季題にピタリと嵌り、美しい一句となった。
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福本めぐみの評
ぽっかりと天から、もらったようなあたたかな日。小春日和ともいうそんな天気の日には、テニスコートに、ショットの音が響きラリーの音が続きます。穏やかな明るい一日です。体もボールも弾みます。
福本めぐみの評
じょじょに色を変えていく木の葉のようすを単純にいいきりました。事を単純に表現するとまた別の景色が見えて来るようです。
福本めぐみの評
まったく、さんせい!です。からだの中からあたたまる、なべりょうりは、みんなが大好きですね。外の寒さをわすれます。
さくらんぼの句
さくらんぼの句 福本めぐみの評
ナイスショット小春のボール良く弾む 中二 本城由比奈
くしゃみして雲吹き飛ばす晴れた空 小六 山村真市
散っていく落ち葉はまるで雪のよう 小六 狩屋佑菜
黄色赤茶色になって落葉ちる 小五 山村侑己
かるたとり早くおぼえろ明日だぞ 小四 倉田 晄
いちょうの葉くるくるまわり落ちてくる 小四 山村隼士
みついっぱい長野のりんごシャッキシャキ 小四 古賀こはる
リコーダーれん習秋の音楽会 小三 難波美帆
大会がおわっておどるおちばたち 小三 山村竜暉
あたたかい寒い冬こそなべつくる 小二 三原咲月
あたたかいとてもおいしいおでんたち 小二 かりやとうあ
いもほりであたまがみえたらとりあいだ 小二 古賀こむぎ
じてん車もサッカーもすきこがらしふく 小一 難波孝太朗
おおぞらをとんでるたかはかっこいい 小一 倉田智浩
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