五月号(H30)

未央の俳句

誌友の雑詠    古賀しぐれ選

 

     先師遥かなり河内野朧なり        加藤あや

    

 

古賀しぐれの評

  

   先師の吉年虹二先生が亡くなって早や三年。河内長野の駅に降り立つと、虹二先生の思い出がそこかしこにあり、ひょっとその辻から、「やあやあよう来たね」と言いながら
現れそうな錯覚を覚える。作者は主宰であった虹二先生の句会があった河内長野に通い詰めていたから、尚更であろう。親よりも友よりも親密なるつき合い。さまざまな思い出が作者の心を突き動かしたであろう、師との思い出の句が連なる。そしてこの掲句。一望の河内野は霞にぼんやりと浮かんでいる。その景色は一層遠き師との思い出へと心を繋いだようである。リフレインの心地よき調べが朧なる遠き思い出へといざなってくれるようでもある。

 

 




    どの径も師の影過る梅二月         藤田弘子

 

 

古賀しぐれの評

  

   この句も先師虹二先生のことを詠っている。河内長野は古き町並が残っている。七つ辻という交叉点があり、高野街道へ繋がる酒蔵通りが昔のままに現存する。どの路地にも師の面影が過る。《梅二月》の季題が尚更にその思いを深くする。吉年家の威光が厳然と残る河内長野。大楠を眺めても、梅林を横切っても虹二先生の面影が浮かぶのである。

 

 






  日の正面風の正面梅の丘        早川水鳥

 

古賀しぐれの評 

   神戸の北野天満神社の梅林は神戸港を一望する丘にある。きらきらと耀く海一望の梅の丘。それは日の正面であり風の正面であると詠う。正しく海光の届く丘であり、海風が真面に吹いてくる丘でもある。リフレインの調べが生き生きとその梅の丘の明るさを語っている。


 

 

 



さくらんぼ(高校生以下の作品)   福本めぐみの評

 

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うぐいすは春を呼ぶ声きれいだな            小二  倉田智浩


 

福本めぐみの評

  ほーほけきょ!ときれいな声がひびきました。この声はうぐいすよ、春をつげる鳥なのよと教えてもらったのかもしれません。春を呼ぶ声なのか。本当にきれいな声だなと感じました。ことしほどうぐいすの声のまたれた年はないかもしれません。


 






 

 
サッカーはむずかしいなあいぬふぐり          小二  難波孝太朗

 

福本めぐみの評

  サッカーチームにはいっているのでしょうか。上手になればなるほど、そのむずかしさにきづくのではないでしょうか。はげしいれんしゅうのあいだのきゅうけいで、いぬふぐりのはなが、そっとおうえんしてくれているようです。

 




はるになるわたしはげんき一ねんせい           小一  木須嘉苗

 

 

福本めぐみの評

   もうすぐいちねんせい。きぼうでいっぱいです。♪いちねんせいになります。げんきにあるいていきます。だから、おおきなはくしゅでおうえんしてください!なんてうたもあります。しんいちねんせい、がんばってくださいね。おうえんしています。


 

 

 

 

さくらんぼの句

  

        さくらんぼの句   福本めぐみの評

 

 

草青むラケット素振り五十回       中三  本城由比奈

 コートのまわりの草も少し萌え出てきて春のきざしを感じます。一年間の締めくくりの三月、次は最上級生として新一年生を迎えるのです。ラケットの素振りにも力がはいります。身も心も引き締まります。期待と緊張の新年度がもうすぐ始まります。

 

窓開けて春一番に青い朝         中一  山村真市

 朝一番に窓を開けた景色は、昨日の春一番といわれる大風がもたらした景色でした。萌えはじめた草の青にも、空の青にも、寒い風にもはっきりと春を感じとれる朝だけれど、どこか春になりきらない、陰がかんじられる青い朝なのだと思いました。

 

中学へふくらむ夢木の芽のよう         中一  狩屋佑菜

 新中学一年生になります。新しい制服、新しい鞄、初めての部活、初めての教科。あれもこれも頑張りたい、楽しみたいと木の芽のようにどんどん夢は大きくなっていきます。

 

うぐいすの初音聞きたいいつ鳴くの        小六  山村侑己

 今年は春が遠かったような気がします。いつまでも寒くて、早くうぐいすが鳴かないかなあと待たれました。うぐいすは春告げ鳥ですものね。いつ鳴くの?今でしょう。といいたいところですが。

 

バレンタイン友チョコ交換楽しいな         小五  倉田 晄

 最近は好きな人よりも、義理チョコよりも友達におくる友チョコがはやりなのですね。友達同士なら、あげたり、もらったりその場で食べ比べたり、わいわい、がやがや盛り上がりますね。

 

うすごおりたたいてわった帰り道          小五  山村隼士

 帰り道も解けていないうす氷だから、結構、分厚いですね。三月とは思えない寒さの中、登校時に見た氷が帰りにもまだあって、よっしゃーって思い切りたたいて割ったのです。なんだか、すかっとしました。

 

うす氷上級生もわっていた             小四  山村竜暉

 うす氷とはいえ、厚みがあってわった手ごたえはなかなかなもの。まったく意味なく氷ってわりたくなります。幼稚かなって思っていたら、おお、上級生もわっているよ。みんな一緒だなって感じました。そうなのです。こうゆう、楽しさって大人になっても変わらないのです。

 

春風にスキップしたくなる手足           小四  難波美帆

 春風ってどうしてこんなにうきうきしてしまうのでしょう。春風にさそわれたら歌いだしたくなるし、向こうの山にだって登りたくなります。気がついたらスキップなんかして、春の来た喜びを体で表現したくなるのですね。

 

粉雪が外にちらつく雪景色             小四  三原勇真

 外は雪景色で十分寒いのだけれど、さらに粉雪がちらつき始めました。今日は一日、家にいなければいけません。まだまだ、春は遠いのかなあと窓の景色を見ています。

 

うす氷人がのったらわれちゃうよ          小三  かりやとうあ

 春の氷をわらずに大事にしたいのかな?それとも、池に一面にはった氷だけれど、あぶないよ、人がのったらわれてしまうから、のったらだめだよと思っているのかな。いろいろためしてみたくなりますね。

 

さっきからぼくと春風きょうそうだ          小三  西川嘉人

 春風がふいたら走り出したくなるのです。走ろうと思わなくてもいつのまにかはしっているのです。ひざしも、風もなにもかも、なにもかも春らしい今日です。

 

うぐいすは春を呼ぶ声きれいだな            小二  倉田智浩

 ほーほけきょ!ときれいな声がひびきました。この声はうぐいすよ、春をつげる鳥なのよと教えてもらったのかもしれません。春を呼ぶ声なのか。本当にきれいな声だなと感じました。ことしほどうぐいすの声のまたれた年はないかもしれません。

 

サッカーはむずかしいなあいぬふぐり          小二  難波孝太朗

 サッカーチームにはいっているのでしょうか。上手になればなるほど、そのむずかしさにきづくのではないでしょうか。はげしいれんしゅうのあいだのきゅうけいで、いぬふぐりのはなが、そっとおうえんしてくれているようです。

 

はるになるわたしはげんき一ねんせい           小一  木須嘉苗

 もうすぐいちねんせい。きぼうでいっぱいです。♪いちねんせいになります。げんきにあるいていきます。だから、おおきなはくしゅでおうえんしてください!なんてうたもあります。しんいちねんせい、がんばってくださいね。おうえんしています。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                             


 

       

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