古賀しぐれの評
高槻の教会での吟行句。神父の教えを手話で子供たちに伝えている光景に出合った。考えてみれば、目が見えない、耳が聞こえない、歩けない等々さまざまな障害を持ちながら生きてゆかねばならない人々が沢山おられる。何の障害もないものから見たら気の毒にと思えることがある。が、掲句の季題は《あたたかや》。ステンドグラスから射す春光が教会を暖かく包み込む雰囲気の中での神父さんの言葉。《神の言葉を説ける手話》の一節が聖書からの言葉のように心に沁み込んでくる。一つの景色を捉えるにしても、人それぞれに暖かくもあり冷たくも感じられることがある。折角俳句を詠むのであれば、掲句のように慈悲の心を持って詠んでゆきたい。あたたかい一句である。
古賀しぐれの評
花水木はアメリカ原産。日本に入って来たのは明治の末。ワシントン市に贈った桜の返礼として日本に贈られた。新しい宅地には花水木が沢山植えられている。ちょっと洒落た街角を演出している。その花水木が声をあげたらきっとソプラノに違いないと詠う。花水木の美しく明るい雰囲気がそう思わせたのであろう。斬新な句。この様な想像をするのも愉しいではないか。極楽の俳句たる所以を見た思い。
古賀しぐれの評
美しい紫のはなびらが気品を漂わせる杜若。住吉大社の浅沢社に咲く杜若は余計に品を感じさせる。はなびらは勿論、真直ぐに伸びた茎、それに添う艶やかな葉は正に神に捧げる花の姿に相応しい。桜や柳は風の成すまま靡いているが、杜若は風に少々乱れても、すぐに直立する。杜若の姿を端的に捉え、調べの美しい気品のある一句に仕上った。
さくらんぼからのお知らせ
高校生の方もどしどし投稿下さい
未央誌のさくらんぼの用紙ご使用下さい
福本めぐみの評
みんなが遊ぶ公園で、はちのす発見。さされては大変!おとなに知らせたら、その大人も大さわぎなんてことになったのかな。はちのすのくじょ、無事できたのかな。気をつけてくださいね。
福本めぐみの評
たんぽぽのわたげをみつけると、吹かずにはいられません。ふーっと吹いた作者の目線は青空ではなく白くうかんだわたのような雲でした。しんせんな風景が目にうかびます。
福本めぐみの評
たくさんたくさんしゃぼん玉を吹きながら、その中のひとつがどこまでもこわれずにのぼっていくのをずっと見つめています。見とどけたいという気持ちがいいです。
さくらんぼの句
さくらんぼの句 福本めぐみの評
模試終わる結果上々桜もち 中三 本城由比奈
十六時桜蘂降る帰り道 中一 山村真市
舞う蝶が春をお届け楽しげに 中一 狩屋佑菜
通学路つつじが咲いてはなやかに 小六 山村侑己
鳥の巣でひながすやすやねむってる 小五 倉田 晄
新緑の空気を吸ってひと休み 小四 三原勇真
春風に吹かれて花粉飛んでくる 小五 山村隼士
公えんではちのすみつけて大さわぎ 小四 山村竜暉
たんぽぽのわたげ雲までとんで行け 小四 難波美帆
とんでいくどこまでいくかしゃぼん玉 小三 かりやとうあ
さくらの木花につつまれたのしそう 小二 倉田智浩
あたらしいともだちふえたチューリップ 小二 難波孝太朗
|
Copyright(c)2018biohAllRightsReserved.