古賀しぐれの評
作者は吹田にお住まい。今回の地震の震源地に近く、住居も傷んだと伺っている。地震の句が並ぶ。が、唯地震が怖かったというだけの俳句ではない。病気の御主人を抱えて、大変な思いであったろうと思われるが、「のうぜん」「西日」「夜濯」「金魚玉」と決して暗い季題を使われていない。そのことは余計に作者の不安な心を表しているようでもあるのだ。そして掲句。地震と言ったところで、単なる大地の阿吽であると詠う。阿吽とは呼気と吸気。所謂「阿吽の呼吸」といわれるもので、大地からしてみれば些事に過ぎないと言い放つ。そして季題として選んだのが「雲の峰」。隆々とした雲の峰は自然の象徴でもあり、未来を表す言葉でもある。災害に遇っても立ち上がって来た日本。その大和魂を感じさせる詠い振りに感服である。
古賀しぐれの評
これも地震の句であるが、滑稽味のある詠い方が面白い。「震度六」と漢数字にしないで「震度6」と算用数字を使ったところもリアルである。震度6の地震と雨蛙の波打つつらを同列に配したところが大胆であり、正に諧謔味を強くしたところ。地震という現実と向き合いながら、このような表現が出来るというのも極楽の俳句ならではと思える。
古賀しぐれの評
地震があった二日後に大阪城吟行の句会があった。前日から豪雨の予報もあり、句会を中止するかどうか迷ったが、決行と決まった。いつもよりは少ない人数であったが、豪雨を押して参加された作者。あの強い地震にも、この荒梅雨にもびくともしない大阪城の石垣。さすが天下の大阪城という気持ちがこの句となった。洵にタイムリーな一句。
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福本めぐみの評
つばめがおとなりの家に出入りしています。子つばめがいるのでしょう。でも、作者のところからはつばめの巣も子つばめもみることはできません。せわしく出入りする親つばめの姿に子育ての必死さを見ているのです。
福本めぐみの評
前の句のあめんぼの国は、一まいの池の上。かたつむりの国は一まいの葉の上。のろのろとあるくかたつむりはどこへ行こうとしているのでしょう。
福本めぐみの評
かぶとむしのからだはくろくてつよそうです。がしがしと歩くすがたをせんしゃのようだと思いました。たしかに、どんなしょうがいぶつも力強く乗りこえていきそうです。
さくらんぼの句
さくらんぼの句 福本めぐみの評
いざサーブボールに交じる夏の蝶 中三 本城由比奈
人は内なめくじは外雨が降る 中一 山村真市
帰る中とつぜんへびが出るかもね 小六 山村侑己
田植えしてこけて尻もち泥だらけ 小五 山村隼士
氷の山シロップかけて溶けていく 小五 三原勇真
夏の川子どもも魚も楽しそう 小五 倉田 晄
おとなりに出入りしてる親つばめ 小四 難波美帆
あめんぼがすべっているよ池の上 小四 山村竜暉
葉の上でのろのろあるくかたつむり 小三 宮田 拳
かおも手も足もどろんこ田うえする 小二 難波孝太朗
かぶとむしせんしゃのように強そうだ 小二 倉田智浩
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